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OPAL vol.6 「三人姉妹」

17.12.16KaneshitaOPALSanninShimai-07012月17日(日)~24日(日)にかけて、プルヌスホールでOPAL(桜美林大学パフォーミングアーツ・レッスンズ)vol.6「三人姉妹」が上演されました。

OPALとは、芸術文化学群演劇専修が授業の一環としてプロデュースし、その芸術教育の成果を地域の方をはじめ広く一般のお客様にも開いていく舞台公演です。

 

17.12.16KaneshitaOPALSanninShimai-024OPAL第6回目の演目は、ロシアの代表的劇作家であるアントン・チェーホフの四大戯曲の一つとされる「三人姉妹」です。1901年にモスクワで初演されて以降、世界で語り継がれてきた名作ですが、100年前の作品を今上演したのはなぜでしょうか。私には、原作を通してチェーホフが問いかける、「低俗」「俗悪」「無教養」が通底している現代を「どう生きるか」。その問いを自らにも観客にも投げかけるためだと感じました。

17.12.16KaneshitaOPALSanninShimai-017モスクワで将軍の娘として生まれたオーリガ、マーシャ、イリーナのプローゾロフ家の三人姉妹を軸に話は進んでいきます。三人姉妹は父の赴任先で寂しい田舎暮らしをしていて、モスクワ時代とのギャップに絶望しながらもいつかモスクワに帰れる日を夢見ながら、周りに集う軍人たちと日々を過ごしています。 物語は父親が亡くなって1年目、末娘イリーナの名の日に、町に駐屯する軍人たちが訪れてくるところから始まります。

17.12.16KaneshitaOPALSanninShimai-036上演台本執筆・構成・演出は演劇企画集団 THE ガジラ主宰/芸術文化学群准教授の鐘下辰男先生、そして学内オーディションにより選抜された11名によって上演されました。

会場に入ると、三人姉妹の世界にすぐに導かれるような薄暗い照明、机などのセットが。照明は4幕ある本編中の場面のそれぞれの雰囲気や登場人物たちの印象を左右する大切なポイントになっていました。

17.12.16KaneshitaOPALSanninShimai-069舞台が始まると、演者たちによって丁寧に演じられるロシアの田舎町でのなんてことのない日常のやりとりによって人物像がしっかりとみえてきます。三人姉妹には際立って劇的な場面はあまりありませんが、その日常のやりとりの中でモスクワへの帰郷〈理想〉と怠惰な日々〈現実〉の間で揺れ動く姿やそれぞれの人物が抱える葛藤や悩みなどの様々な感情を見事に表現しており、

 

「わたしたちが生きている意味とは何なのか・どう生きていくのか」を登場人物たちとともに考えさせられる内容でした。

最後の場面では、セットの両サイドの壁が倒れ、舞台には何もなくなります。その直後、「もし分かれば!」のせりふに合わせて、絶望にも希望にも読み取れる表情で遠くをみつめた三人姉妹の姿はとても印象的でした。

 

学生記者 渡邊奈々

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