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サンチャゴ巡礼記3

S__144007181re今年で3回目になる「世界遺産“サンチャゴ巡礼路”を歩く」。キリスト教の巡礼路であり、世界遺産でもあるスペイン版お遍路の約800kmを、本学の学生12人が約40日かけて歩いています。

 

10kgを超えるバックパックを背負い、毎日ひたすら歩き続ける修行のような旅を経て、彼らは何を得るのでしょうか。

 

今回は計4回を予定している現地レポートの3回目。旅終盤の様子を、リベラルアーツ学群3年生の芳野貴洋(よしの たかひろ)さんに伝えてもらいます。

 

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28059160_1281469708663484_3122840806508632820_n3月8日現在、ポーラという町に滞在している。目的地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラまで残こすところ290kmを切った。

 

あと9日で辿り着く予定だ。いよいよ旅も終盤に差し掛かっている。

 

 メンバーは皆歩き続ける生活にすっかり慣れ、精神的にも以前と比べると明らかに余裕が生まれている。

 

1回目の記事で述べた「遭難事件」を教訓に、メンバーそれぞれがより主体的に行動をとり、自分の身を守る術を身に付けているように感じる。

28472223_1289371921206596_5136650906862846282_nしかし歩き続ける生活が、特に身体的な困難を強いることは確かだ。疲労により、道中座り込んでしまうときもあれば、思わぬトラブルに襲われることも多々ある。

 

また、私たちが今歩いている「北の道」は、大人数で歩くにはやっかいな障害があるのだ(巡礼路は都市サンティアゴ・デ・コンポステーラを終点に10本以上のルートがある)。

 

2月24日、2回目の記事で登場したグエメスという村に向かう途中で、先頭を歩くチームとその後ろを歩くチームが、ある別れ道で離れ離れになってしまった。

28168116_1281470921996696_4557005709987270317_nデジタル機器が使えない環境では、気を抜くと簡単にメンバーの位置が分からなくなってしまう。先頭を歩くメンバーは先にアルベルゲ(巡礼者用の宿)に到着した。

 

時刻は午後5時。後ろを歩く半数のメンバーがアルベルゲに到着したのは、午後6時であった。

 

差はたったの1時間程度であるが、遅れて辿り着いたメンバーは、「今日は40kmぐらい歩いた」と言った。

 

この日の歩く距離は23kmに予定されており、先頭を歩いたメンバーらはその通りの距離を歩いたのだが、先に記した「やっかいな障害」が原因で、歩く距離に大幅な差が生じたらしい。

どちらのチームも、巡礼路の道しるべ28378180_1281471035330018_3139590379878857449_nである「ホタテ貝」のマークや、「黄色い矢印」を頼りに歩みを進めたことは事実である。

 

しかし、北の道は他のルートと比べて別れ道が多く存在し、選択する道によって歩く距離が大幅に異なってしまうのだ。

 

予定通りに事が進まないこんな時にどう対処するかが、この旅の鍵になる。

 

28279135_1281470191996769_789098533519771258_n前回、私たちは「遭難事件」からとっさの判断の重要性を学んだため、今回はお互いに連絡を取り合うためバルに入り、現在地を確認し合うことができた。

 

後ろを歩くメンバーも、先頭チームとはどこかの道で別れたのだと判断し、先を歩くメンバーに無理をして追いつこうとはしなかった。

 

 

思いがけないトラブルだったが、旅も終わりが近づいてきたこの段階で、チームは確実に成長した姿を見せ始めている。

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