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No.2リベラルアーツ学群中国語藤澤太郎先生
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好きこそものの上手なれ

[2016年5月31日掲載]
中学生のころから歴史が好きだった藤澤太郎先生。歴史小説やゲームをきっかけに中国に興味を抱き、三国志や水滸伝・紅楼夢といった古典小説の日本語訳を読むうちに、どんどん中国文学に引かれていったといいます。何らかの形で中国や文学に関わりたいと思っていた藤澤先生は、東京大学文学部に進学して中文科へ進み、卒業後も研究を続け、現在は本学のリベラルアーツ学群で准教授をされています。

中国語については、大学に入ってから本格的に勉強を始めました。1年生のころは全く歯が立ちませんでしたが、2年生のころから文法書や辞書を片手に小説の原文を読み進めることで、徐々に骨格が理解できるようになったそうです。そのころからようやく道が開け、中国語の原文を読むのが楽しくなってきたといいます。当時、最初に本格的に読んだ中国語の本は蕭紅という女性作家の二巻本の「全集」で、「手」という小説を手始めに、毎日欠かさず少しずつ読み進めていたそうです。

大学院時代には上海の華東師範大学へ留学。上海では書店・古書店や週1度の古書市によく足を運んでいました。現在でも年に1、2回は中国を訪れ、その際には必ず古書店や古書市に立ち寄るといいます。本が大好きな藤澤先生は、なんと約3万冊以上もの本を持っているとのこと。世に知られていない本や雑誌を集めて、その中から無名な作家を掘り起こすのを趣味としているそうです。
「自分は好きなことしかやってこなかったので語学に関しては落第生だ」と言う藤澤先生ですが、ご自身の立場から中国語の理解を深めるためのポイントを教えてくださいました。

1.毎日、音読をする

中国語で一番苦労するのは発音とイントネーションです。それを克服するためには、やはり口に出して発音することが大事。藤澤先生お薦めの勉強法は、毎日中国語の原文を読み、その中で最低15分ぐらいは音読する時間を取ることだそうです。

2.自分に合った本を見つける

小説でも文法書でも自分に合ったものを見つけることによって、身につきやすくなり、何より勉強するのが楽しくなります。藤澤先生は大学時代に先生から薦められた文法書(輿水優著『中国語の語法の話―中国語文法概論』)を、難しくてもとりあえず読破しました。すると、それまで分からなかった所も分かるようになったといいます。

3.楽しく無理をせず、地道に

中国語に限らず、語学を勉強する上で一番大事なのは毎日コツコツ勉強することです。ドラマや音楽なども利用しながら、毎日楽しく地道に勉強することによって、どこかで必ず自分の進歩を実感できるときが来ます。すぐに成果が出なくてもあきらめないことが大事です。

以上三つの他に藤澤先生が実践されていた方法は、「授業後に必ず質問をして、先生とコミュニケーションを取る」ということ。皆さんも実践してみてはいかがでしょうか!

藤澤先生の好きな中国語の一節

要約:私たち中国人が日本文化を研究しようとしたりあるいは語ろうとしたりすることの目的は、日本の民族を代表する賢哲を探し出して、同じ人類・東洋人としての悲哀に耳を傾けることにほかならない。逆に、英雄たちは、どれほど恨みと軽蔑に値しようとも、隅に置いておけば良い。

この文章は日中関係が非常に悪化していた1936年に書かれたものですが、たとえ政治的関係が悪くとも、それはとりあえず置いておき、町中の文化ある人たち(=賢哲)と心を通わせることが文化・教養を持つ人間としてのあるべき姿だと言っています。これは、日本人が中国を見る場合でも同じだと言えるでしょう。

取材を終えて

中学時代から好きだったものを、今も、そしてこれからも研究し続ける藤澤先生に、一種のうらやましさや憧れを感じました。私も好きなことで生きていけるような人になりたいなと、強く思いました。
勉強の仕方は人それぞれ。自分次第で勉強はいくらでも楽しくできるということを学んだ今回の取材でした。

学生記者:福岡奈々