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No.1基盤教育院フランス語石川三千夫先生
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千里の道も一歩から

[2015年5月20日掲載]
高校時代に、厳格な家柄とは正反対の自由で甘美なイメージの「フランス」にあこがれ、フランス語に興味を持ったという石川三千夫先生。お姉さまが大学で第二外国語としてフランス語を学んでいたため、レコードや本など家の中でフランス語に触れる機会が多くあり、次第に興味が膨らんでいったと言います。特にジュリエット・グレコという女性歌手が歌う恋の歌に、英米の歌とも違う魅力を感じたそうです。また、ロジェ・マルタン・デュ・ガールの書いた『チボー家の人々』を読んでフランス文化に一気にのめり込み、大学は仏文科に進学。大学院を卒業した後、教員になられました。

フランス語に限らず、外国語習得においては「努力しかない」と石川先生は言います。「継続することが一番大事ですが、楽しくなければ続きません。自分に合う勉強方法を探すことが肝心です。映画を見たり、音楽を聞いたり、フランス語で書かれたレシピを見ながら料理をしたり、自分の興味に合わせて好みの『素材』を入れることで勉強が楽しくなります。今日では、インターネットで短編小説を無料で読むことも聞くこともできるし、スマートフォンのアプリで単語帳もあります。そういったものをうまく利用して、楽しく勉強しましょう」

また、以下の4つについて特に重要だと石川先生は続けます。

1.単語は名詞と動詞をつなげて覚える

語学は単語をどれだけ知っているかが勝負です。まずは名詞を覚え、それに関連する動詞を覚えていきましょう。例えば『授業』という単語でしたら、「授業がある」「授業が休講になる」「授業に出席する」「授業を休む」「授業をさぼる」「授業が始まる」「授業中である」「授業中に発言する」「授業が終わる」といった感じです。これに時間や場所の定型表現を加えれば、もう立派な意思疎通のできるフランス語になります。「名詞単独ではなく動詞とつなげて覚えること」―これが私の経験上、効率良く外国語を学ぶ方法の一つと言えます。

2.『ディクテ』を繰り返す

フランス語には、母音が16もあり、その中に鼻から抜ける『鼻母音』が4つあります。日本語には母音は5つしかありませんので、当然日本語母語話者にはフランス語の母音は聞き取れません。初級段階でこうした音を聞き分けるヒアリングの練習を積み、耳が慣れたら、音声を聞きながら書き取りを行う『ディクテ』を繰り返すことをお勧めします。それにはつづりと発音の関連、文の構造を学んでいくことも必要となってきます。『ディクテ』は教室でも行いますが、時間が圧倒的に足りません。CD付の簡単な読み物教材やWebで入手できる音声付きの読み物を使って自分で訓練することも必要です。

3.『テーム』で書く力を強化

インプットだけでなく実際にアウトプットして使うことも大事です。伝統的な『テーム』は書く力を高めるとても良い方法です。『テーム』というと格好良いですが、何ということはありません。和文仏訳なのです。自身の日記のようなものを訳してみることから始めたらどうでしょうか。それを先生に添削してもらい、訂正された文章を暗記するまで音読する。このような作業を地道に続ければ表現力もついてきます。まさに『塵も積もれば山となる』です。語学教員は積極的に添削を頼んでくる学生を歓迎します。

4.実践を積む

会話の練習をする機会はなかなかないかもしれませんが、桜美林には世界各国から留学生が来ています。彼らと親しくなるのも良いことです。また、『世界の友達』という留学生と日本人学生の交流広場がありますので、それに参加して外国語を話してみる。それが通じるという経験を通して、さらに外国語を学ぶモチベーションが上がると思います。

最後に石川先生はこうアドバイスされました。「学校の授業だけでは、1週間に2コマ、半期でおよそ50時間、年間で100時間しか学ぶことができません。語学をある程度使いこなせるようになるのに必要な時間は最低でも300時間! 家で毎日欠かさず1時間勉強するだけで年間365時間になります。300時間の学習もまずは1時間から始めてみましょう」

Bonne continuation!(ボンヌ コンティニュアシオン)「続けて頑張ってください」

石川先生おすすめの小説

「異邦人」アルベール・カミュ

多少長いけれども平易なフランス語で淡々と書かれているので、初中級の学習者向きで、辞書を用意すれば地道に読み進めることができる。しかも内容が濃いので大学生向き。「きょう、ママンが死んだ」という書き出しはあまりにも有名!

取材を終えて

石川先生の取材中、「千里の道も一歩から」という、ことわざが頭をよぎりました。語学学習は長い道のりで、終わりもありませんが、最初の一歩を踏み出さないと、何も始まらないからです。
フランス語はあまり身近に感じられないと思いきや、日常生活の中でかなり多く使われているということも教えていただきました。学校生活に関係があるものでは、「レジュメ」や「アンケート」がフランス語だということが分かり、意外でした。
皆さんも次の学期に新しい語学の扉を開いてみませんか?

学生記者:二村涼