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[2014年12月19日掲載]

この夏、桜美林大学駅伝チームは箱根駅伝予選会に向けて強化合宿を行いました。その練習内容と選手たちの表情を密着レポート!感動を与えてくれたレースの裏側に迫りました。 <学生記者:佐藤凌>

合宿にお坊さん?!

  • 合宿初日、選手は練習の前にお坊さんの説教を受けています。これは別に彼らが悪いことをしたわけではなく、選手として成長するための心のトレーニングだといいます。お坊さんは桜美林の卒業生(2007年度文学部卒)で横浜市の長福寺副住職の三橋皓揮さん。「なぜ、競技を続けるのか」実にシンプルな質問ですが、答えに詰まるこの質問。三橋さんはご自身の経験や、脳腫瘍を患い8歳にして人生を終えた男の子の話を例にして選手に問いかけました。
  • 今は駅伝チームがスタートしたばかりで、部員は希望に満ちているかもしれません。しかし、競技生活をする者なら誰でも一度はぶつかるであろう壁、「なぜ、競技をしているのか」。この悩みにぶつかったときに、原点にすぐに立ち返ることができる選手は強いといいます。三橋さんの説教を機に競技生活を続ける理由について考えた選手たちは、「箱根駅伝出場という目標を達成しよう」とより心を強くしました。

箱根の常連、山梨学院に学んだもの

  • 8月中旬から約3週間、駅伝チームは淵野辺から長野県・野辺山高原、富士見高原へと練習場所を移しました。目的は高地トレーニングと、真也加駅伝監督の母校である箱根駅伝の常連、山梨学院大学との合同練習で強豪校の練習を体験すること。どちらの高原も標高が約1,300mあるため、少量の運動量ですぐに息が上がります。それにも関わらず、練習量は普段よりも1.5倍に増え、筋トレも強化。全て起伏が激しい箱根駅伝の走行ルートに備えたメニューです。
  • 山梨学院大学との合同合宿で、選手は思うところがあったようです。「強豪校は実力はさることながら、一つひとつの行動も早く、1秒でも多く練習に当てようとする姿勢を感じられ、見習っていきたい」(リベラルアーツ学群1年 石川純平主将)。箱根で戦うチームのレベルを体感したことで、一層チームが引き締まりました。山梨学院大学との合同練習によって見えてきたのは、課題ばかりではありません。桜美林駅伝チームの良さも見えてきました。

箱根駅伝という一つの目標がチームをまとめる

  • 真也加駅伝監督は、かつて箱根駅伝を盛り上げたスター選手。山梨学院大学の選手として、4年連続「花の2区」に出場し、うち、区間賞を2回受賞、2度の総合優勝に貢献しています。また、治郎丸健一コーチも駒澤大学在学中に箱根駅伝に出場、卒業後は、日清食品グループの陸上部で活躍し、現在も現役ランナーとして競技を続けています。この2人の箱根駅伝経験者によって、選手一人ひとりの練習メニューが考えられているというのは心強いと思いました。
  • 何事も初めての経験となる桜美林駅伝チームにとって、真也加駅伝監督と治郎丸コーチ(写真上)の存在はどんなに大きいことでしょうか。また、練習のサポートをしてくれるマネージャーにも選手たちはとても感謝していると言います。選手、監督、コーチ、マネージャーそれぞれが自身の役割を理解し、箱根駅伝という一つの目標に向かって進んでいく、そんなチームのまとまりを感じさせる練習風景でした。
  • 選手たち自身も上級生がいない分、しっかりと互いに意見を言い合えるチーム作りを心掛けています。上級生のいないチームを先頭に立って支えようとする石川主将(写真右)。そして、自分たちの走りと努力でチームを支え、石川主将の負担を少しでも減らしてやりたいという副主将の吉川健真選手(写真中央)と南裕也選手(写真左)。予選会を前にチームの結束はどんどん高まっているようでした。

将来を見据えた選手育成

選手育成の面で大事にしているのはコミュニケーションだけではありません。部長である武田一先生は、桜美林スポーツのモットーである文武不岐をテーマに、選手育成に取り組んでいます。「学問と武道(スポーツ)は同一のものであり、どちらも厳しい鍛錬を重ね、人として向上しなければならないということを学んでもらいたいと思っています」。ただ走らせ、タイムを伸ばすだけではなく、勉学も両立させた競技生活を通して、将来、社会や世界に貢献するための教養ある国際人の育成を図るのだと言います。そのため武田先生は、裏方役として、競技以外の選手のサポートも積極的に行っています。この考え方に、真也加駅伝監督、治郎丸コーチも賛同しており、「指導者全体が同じ考えの下、選手を育成できるのは、なかなかないことです。運命的な偶然だね」と、武田先生は語りました。