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落語研究部

[2017年11月30日掲載]
桜美林大学にある40の部活動の一つ、落語研究部を知っているだろうか?
落語というと、私たち若者には取っ付きにくいイメージがあるかもしれない。そんな私たちと同じ「大学生」が行う落語とは、一体どんなものなのだろう。
今回は桜美林落語研究部を取材し、彼らの熱意と活動の広がりについて話を聞いた。

落語研究部の活動は、毎週火曜・木曜・金曜日の18時~21時に学而館の一室で行われる。個人での練習が主だが、火曜と木曜は稽古会を開催し、お互いにネタを披露し、批評し合って、芸に磨きをかける。
稽古会は教室の机を並べ、赤い布と座布団を敷き作られた高座の上でネタを披露する。太鼓や三味線の出囃子(でばやし)をスピーカーから流し、本番と同様の雰囲気を作って緊張感を持たせる。

片野裕斗さん

今回ネタを見せてくれたのは片野裕斗さん(リベラルアーツ学群2年/高座名・海亭桜海老)。ネタの内容は、お相撲さんとその友人の奇妙なやりとり。噺(はなし)が始まると、片野さんの声色がガラリと変わる。表情もコロコロと変わり、一人で話しているのに、私には彼が二人いるように見えた。

(左から)副部長の小池さんと部長の金井さん

副部長の小池大樹さん(リベラルアーツ2年/高座名・地獄家独眼鉄)は、落語の魅力について「学生に対しては、プロの落語より学生の方がウケることもある。くだけた感じでやるので、聞きやすくておもしろい」と話す。今回見せていただいた落語も、相撲のことを全く知らない私でも分かりやすく、クスリと笑ってしまう場面がいくつもあった。

ネタが終わると、部員同士の批評が始まった。良いところだけでなく、悪いところもしっかりと指摘する。「相撲の技の所作が雑だった」「観客と目線を合わせた方が良い」というように、耳の痛い意見もハッキリと述べられる。時には、「類いまれなひどさだった」といった厳しい意見も浴びせられることも。皆さんの真剣さが伝わってきた。

こうした練習の成果は、自分たちで寄席(よせ)を開いたり、他大学と共演したり、プロの前座として出演したりして、実際にお客さんの前で発揮される。

その他にも、老人ホームや地域のイベントでも落語を披露するなど、地域貢献活動にも力を入れているそうだ。それは本学のある町田・相模原地域以外でも精力的で、学生落語と「キンレイ鍋焼きうどん」の提携事業に参加している学生が、桜美林落語研究部にも複数いる。
この事業は落語を通じてうどん文化を広める試みだが、高速バスに乗って千葉県や埼玉県まで足を伸ばすこともあるらしい。こうした活動を通して、学外の遠い地域との交流も深まる。
このような地域貢献活動について、部長の金井七虹(ななこ)さん(リベラルアーツ学群3年/高座名・七福亭ヱビス)は、「いろんな地域の幅広い年代の人と交流できるのは得がたい経験です」と話す。

また、夏と冬には落語の技術を競う全国大会が開催され、桜美林の落語研究部からも部員が毎年出場している。過去には全国ベスト8の部員を輩出したことも! さらに、昨年は「AbemaTV」の「落研コロシアム」という番組でも準優勝を果たした。
今年の8月に行われた全国大会には6人が出場し、予選8位が2人、4位が1人と善戦。この結果をうけて、「決勝進出を逃したことはとても悔しいですが、大きな収穫のある大会となりました。今後も地域での落語ボランティアや稽古を通して力をつけ、来年の全国大会では優勝を狙いたいと思います」と小池さん。
来年の夏に向けて、落語研究部のメンバーは今日も稽古に励んでいる。

  • 高座…落語家が落語を行うための舞台。基本的に座布団が置かれている。
  • 寄席…365日毎日開かれている。演目は落語、漫才、手品、曲芸などさまざま。浅草演芸ホールなどが代表的。
  • …落語のネタ。
  • 出囃子…舞台に登場する時の入場曲。
  • 高座名…落語を披露する時の名前。

取材を終えて

今まで落語に触れたことがありませんでしたが、取材をしてみて、落語は親しみやすく、幅広い世代に愛される娯楽だということがわかりました。また、批評会の様子から分かるように、目標に向かって真剣に取り組みながらも、終始部員同士が和気あいあいと過ごしていて、とても良い雰囲気の部活だと思います。

学生記者:村井安沙香